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【答えは、俺じゃない。食材に聞け。】

 

料理人として、もうすぐ20年。

たくさんのシェフの方、先輩たちに教わってきたことが、
今も体に残っている。

それが、そのまま料理に出ているんだと思います。

料理は、
肉・魚・野菜。

たった3つ。

でも——
火入れは、すべて違う。

牛も、豚も、鶏も。
魚も、野菜も。

同じものは、一つもない。

よく聞かれます。

「まだですか?」

僕はこう答えます。

「肉に聞いてください。」
「火に聞いてください。」

変なこと言ってると思いますよね。

でも、これが本当なんです。

火は毎回違う。
食材も毎回違う。

同じ生産者でも、
同じ品質を“完全に再現する”ことはできない。

だって、
もともと生きていたものだから。

水分量、硬さ、大きさ、すべて違う。

だから——
火入れの時間も、毎回変える。

何分で100点になるかなんて、
決められない。

もし全部同じサイズに切って、
同じ火入れをするなら——

それは、
食材を“殺している”と思う。

せっかくその大きさに育った意味がある。

その形、その厚み、その個性。

それが一番美味しい状態だから、
そこまで成長した。

僕は、
できる限りそれを壊さない。

無理に整えない。

そのまま活かす。

生産者が育てたものを、
殺さずに届ける。

それを食べるお客様が、
一番その価値を受け取る。

これが、
僕の料理です。

毎回違う。

だから面白い。

毎回が、
一発勝負。

食材と会話して、
火と向き合って、
お客様に届ける。

それだけです。

だから、今日来る価値がある。